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携わる人々

新北ビル開発に寄せる“期待と想い”

座談会:2011年、都心型シネコンの新モデル誕生へ ―関西初、松竹・TOHOシネマズ・ティ・ジョイ(東映グループ)の共同運営―

  • 松竹、TOHOシネマズ(東宝)、東映グループが共同運営する映画館で、時代が求めるクオリティを
  • 映画を超えた楽しみ  進化する映画館
  • 郊外から大阪駅へ  映画鑑賞の新スタイル
  • 松竹、東宝、東映の『総合力』で大阪駅直結の魅力を引き出せ
写真:江 丕清 氏
江 丕清 氏
松竹株式会社
映画興行部
関西興行室
写真:宮井 周一 氏
宮井 周一 氏
TOHOシネマズ
株式会社
劇場運営部
西日本統括室長
写真:村松 秀信 氏
村松 秀信 氏
東映株式会社
関西支社
支社長代理

2011年、大阪駅新北ビルに、松竹・TOHOシネマズ・ティ・ジョイ(東映グループ)という国内大手映画会社3社が共同運営するシネコンが誕生します。地上波テレビ放送が完全デジタル化される年、“駅直結のシネコン”という都心の新たなエンターテイメントが始まります。この関西初の試みにかける思いを、各社に語っていただきました。

(取材日:平成20年2月6日)

松竹、TOHOシネマズ(東宝)、東映グループが共同運営する映画館で、時代が求めるクオリティを

― 関西初となる3社共同プロデュースが実現した経緯をお聞かせください。


(松竹)
3社共同運営という形態は、既に北海道のJR札幌駅に直結したシネコンが2003年にオープンし、他にも都心型の出店を計画しています。各所で蓄積したノウハウを進化させ、新北ビルでは都心型シネコンの新たなスタンダードを打ち立てたいですね。
村松
(ティ・ジョイ)
大阪駅というターミナル駅直結という立地は、マーケットスケールもかなり大きいものになってくると思います。各社の単独運営より共同で力を合わせた方が、より時代に即したものができるでしょう。番組編成も3社で行う方がより効率的です。新北ビルのシネコンでは3社の力を合わせて、一番いいものを皆様にご提供したいですから。
課題は近隣の各社直営館との住み分けですね。新北ビルのシネコンは直営館とは異なる方向性で展開し、共存していきたいと思っています。単独ではできないものを上映するという方法などを用いれば、大きなマーケットスケールを誇っている場所なので不可能ではないでしょう。

江 氏
村松
いかにお客様を集めるか、という問題をクリアできれば大丈夫だと楽観しています。近隣地域に流出しているお客様をキタに集めて、絶対人口を増やせば共存できるでしょう。オープンを迎える2011年には、梅田の街そのものや取り巻く環境も変わっていると思うので、現状ではまだ運営の方針をはっきりとは決められません。しかし、映画館の本質は変わらないでしょうから、3社共同運営のメリットを活かせば時代のニーズに合ったものをご提供できると考えています。
宮井
(TOHO)
共同運営のシネコンは、各社直営館にとっては、いいライバルだと考えています。また同時に共同事業ではありますが、3社がいいライバルですから、互いに切磋琢磨して映画人口の底上げをしていくつもりです。

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映画を超えた楽しみ 進化する映画館

― 「シネコンが飽和状態にある」という意見もありますが、
新北ビルのシネコンではどんな戦略をお持ちですか?

3社それぞれに得意分野があって、それをどう打ち出していくかということを構想中です。近年、テレビ放送などのデジタル化を受けて、各社とも映画以外のデジタルコンテンツを取り入れ始めました。当社(松竹)では歌舞伎の舞台公演を高性能カメラで撮影し、スクリーン上映するシネマ歌舞伎や、オペラ公演をスクリーンで上映するMET(メトロポリタン歌劇場)ライブビューイングなどに取り組んでいます。
村松
ティ・ジョイはデジタルシネマの導入を推進しています。「ゲキ×シネ」と称し、劇団☆新感線さんのお芝居を映像化しています。東京などへ行かないと見れない舞台公演を撮影し、地方の方にも映画館で楽しんでいただけるように上映しています。その他、韓国ドラマや、スポーツイベントなどにも力を入れていきたいです。このような映画以外のデジタルコンテンツを皆様にご提供して、いかに喜んでいただけるか、そして差別化できるかが鍵になると思います。

村松氏
宮井
TOHOシネマズは、宝塚歌劇のデジタル中継に取り組んでいます。今まで演劇は、東京公演なら東京の方しか見られなかったのですが、光回線網の発達で、高画質での生中継が可能になりました。この技術は映画でも初日の舞台挨拶などに使えますよね。デジタルコンテンツには、まだまだ開発・開拓の可能性があると思います。
村松
テレビ放送も2011年に地上波放送がデジタル化することで変化していくと思います。デジタル化すれば一方向から双方向に変わりますから、すなわち見る側が変わっていくということですよね。だったら映画館も変わっていかないと。
そうですね。舞台挨拶の中継でも、ただ中継するだけではなく、見る側からも直接質問を投げられるようになると思いますし。映画館の施設を映画上映以外にも使って、より多くのお客様が楽しみを共有する場としてプロデュースしたいと考えています。

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郊外から大阪駅へ 映画鑑賞の新スタイル

― 「シネコンは郊外」という従来のイメージを覆すような立地ですが、
ターミナル駅直結の魅力はどこにありますか?

今までのシネコンは、市街地から離れた郊外にあって、ドライブがてら出かけるような感じでした。しかし、新北ビルのシネコンは大阪の駅ビルにありますから、アクセスは抜群にいいですね。また、通勤通学の途中にあるシネコンになりますから、人々の日常生活に密着した存在になるでしょう。年配の方も車を運転せず、気軽に立ち寄っていただけると思います。
村松
郊外型のシネコンとは全く違う形の演出ができますね。
宮井
日本初のシネマコンプレックスができた1993年から現在まで、シネコンの多くはローカルサイド・ロードサイドのショッピングセンターに併設されてきました。その一方で、ターミナル駅や近辺に設けられることは多くなかったんです。しかし、アンケートによると、ローカルサイドのシネコンを利用する方も、通勤通学でターミナル駅を利用しているという結果があります。新北ビルのシネコン誕生によって、仕事や学校帰りに映画を見るというライフスタイルが生まれるだろうと思っています。都心に出て映画を見ることを定着させたいですね。

宮井氏
村松
2011年に話題の中心となる大阪駅新北ビルにふさわしいシネコンを作ること、お客様に提供することに3社共同運営の意味があるのだと思います。
3社の力を活かして、時代のモデルになるシネコンを作りたいですね。

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松竹、東宝、東映の『総合力』で大阪駅直結の魅力を引き出せ

― 近年映画を楽しむ環境が多様化しています。新北ビルのシネコンでは、
どのような取り組みでお客様にアプローチしていくかをお聞かせください。

宮井
大阪駅の駅ビルということで、JR西日本グループ、百貨店・レストランなど他のテナントさんとの相乗効果も期待しています。積極的にコラボレーションを展開したいですね。特に、JR西日本グループの協力あってこそできる、駅ビルだからこそできる展開があるはずです。当社(TOHO)が過去に実施した「名探偵コナン」のスタンプラリーやミステリーツアーのような、沿線を利用される方を対象にしたキャンペーンにご協力いただければ嬉しいです。やはり、沿線にお住まいの方を中心にPRしていくことが新駅ビルにシネコンを誕生させる意義であり、各直営館との住み分け策の一つであると考えています。
村松
シネコンだけで勝負するのではなく、駅ビルという立地を活かして総合力で勝負するべきだと思います。映画館と駅ビルと鉄道がコラボレーションする。そのための施策はこちらも提案するし、JR西日本グループ側や他のテナントさん側からもしていただけたら、さらに良いものができるでしょう。
新北ビルは公共の交通機関に直結しているので、どなたでも来やすいことがメリットだと思います。日本を代表する集客力のある施設になりますので、3社のエンターテイメント情報を発信する関西の拠点にしたいですね。
村松
そうですね。鉄道は多くの方が利用するものなので、そのメリットを最大限活用した新しい取り組みなどもやってみたいですね。ティ・ジョイではJR東日本様とSuica電子マネーを使ったイベント等も行っています。駅直結の新北ビルではJR西日本様と「ICOCA」を利用した立体的な取り組みが可能だと思っています。
宮井
何と言っても大阪の「新しい表玄関」ですから我々も最上級のサービスを目指します。駅ビルのシネコンですので、電車の改札口同様に電子チケット対応も考えられるのではないでしょうか。チケットレス、ペーパーレスになれば、エコロジーでありながらお客様にとって便利なサービスにつながりますよね。
その通りです。デジタル技術を取り入れて、できるだけエコロジーを意識する方向で行きたいですね。ハード面ではチケットカウンターやプリント編集する場所が必要なくなったり、デジタル配信によってフィルムレスで上映ができるようになるかもしれません。
宮井
お客様が映画を見に来るだけでエコロジーに直結しているような映画館が理想的だと思います。2011年には、お客様のエコロジーへの意識は今以上に高まっていると思われます。電車は今一番CO2排出量の少ない乗り物ですから、地球環境にやさしい乗り物を利用して、エコロジーな映画館でエンターテイメントを楽しむのが新しいスタンダードになっているかもしれません。
全てがプレミアムなシネコンを用意し、エコロジーへの配慮やサービスも含めて最高級のグレードのものをご提供すること、それが我々3社の一番の目標です。

写真:村松氏、江氏、宮井氏
2011年のオープンに向け、三社共同で地球環境にも優しい新・都心型シネコンの創造に邁進する。

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